「ネチケット」って死語じゃないの?


「ネチケット」って、死語じゃないの?
・・・って、若い人は思うかもしれません。

「ネチケット」という言葉は、1995年頃アメリカで発表された「ネチケット・ガイドライン」という文書から生まれたそうです。
「ネットワーク・エチケット」の略で、インターネットの世界で、守るべきこと、気を付けなければいけないことなどをまとめたものとのこと。
やがてそれが日本語訳され、日本でもその言葉が広まりました。
ネットが一般的になりつつあった頃のことで、明確な基準がない中で、この言葉とその内容は、絶大な影響力を持ったそうです。

その後・・・
やがて「ネチケット」はその中身も時代に伴って少しずつ変化し、最初の「ネチケット・ガイドライン」に記されているものの中には、今ではあまり必要がなくなったものもあります。

では、「ネチケット」という言葉自体も、もう古いのではないか?

でも、それは一つの「言葉」にすぎないのです。

一つの言葉・・・いわゆる「造語」が広く使われるようになると、やがて若い人たちの間で「今の私たちはもうそんな言葉は使わない」という意識のもと、その言葉は「死語」に分類されていきます。
そしてまたあらたな言葉や言い回しを生み、それもまたいつか「死語」とされていきます。
そのため、「造語」はその時代を映しやすく、生まれては消えるさだめを持った言葉とも言えます。

「ネットマナー」やその他の言い回しが増えてきて、「ネチケット」という言葉は「もう古い」と言う人も多いです。
でも、それらの言葉が差すものは、すべて「インターネットの世界で、守るべきこと。気を付けた方がいいこと」です。
言ってみれば、言葉なんて何だっていいのです。

それでも、「ネチケット」という言葉が、それを差す、多くの人が知る言葉であるということ。
多くの人が、伝えようと思った「始まり」の言葉であるということ。
そこには、「ネチケットを守ろう」という「思いやり」があふれています。
それをただ「古い」と切り捨ててしまうのは・・・あまりに寂しい気がします。

私がネットを始めたのは2006年の終わり頃で、もう「ネチケットは死語」と言われ始めていた時代です。
それでも、私はあえてこの言葉を使っています。
願わくば、「古い」「新しい」などの感情で、切り捨てられることのないように。


ところで、「エチケット」と「マナー」の違いって、何でしょうね?

調べてみると、
「エチケット」はフランス語、「マナー」は英語、意味は礼儀・作法で、ほぼ同じ。
でも、「エチケット」は「気遣い」、「マナー」は「ルール」としているところもあり、
逆に「エチケット」が「ルール」で「マナー」が「気遣い」としているところもあって、
結局本当のところはよくわかりませんでした。

それぞれの言葉は国が違うのですから、微妙なニュアンスが異なることもあるでしょうし、同じ意味だとしても何もおかしくありません。
あえて線引きをする必要はないのかもしれませんね。
どちらも、「守るべきこと、気を付けた方がいいこと」で、大切なものに違いはないのですから。

ちなみに私は、なんとなくですが・・・
「エチケット」は「自分が気を付けること」
「マナー」は「みんなが気を付けること」
という意識を持っています。

そして、「ネチケット」の主旨は、私の中では「思いやり」だと思っているので・・・
そういう意味でも、「ネットワーク・エチケット」の方がしっくりくるかな、という気持ちです。
とは言え、「マナー」がしっくりこないというわけでもないので、まあ・・・両方使ってますけど^^


なんにしても、「言葉」って結局フィーリングと言うか、「使いたいもの」を使うのが、一番気持ちが伝わるかなって思います。
「死語を使うの恥ずかしい!」って思う方も多いと思うし、時代の流れで使えなくなる言葉って、確かにあると思いますが・・・
できる限り、そのときそのときで、自分の好きな言葉、伝えたい言葉を使えたらいいですね。


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