未完のルポ

  (データイースト)


記念すべき『神宮寺』シリーズとの出会い。
ファミコンでも出てたようですが、その頃は知らなかったので。

推理物ぽいと思って購入したところ、
推理物というよりはサスペンスドラマを眺めている感覚のゲームでした。

主人公の神宮寺は私立探偵ですがとても優秀で、
彼の独自コマンド『煙草を吸う』をくり返すだけで次の行動を決めてくれる。

推理物としては物足りないと思いますが、ドラマとしてはドキドキハラハラしながら楽しめたので、このシリーズはなかなかお気に入りです。

このゲームでは、主人公の神宮寺だけでなく、助手の洋子、友人の警部くまさん、ルポライターの与野の視点で物語を進める“ザッピングシステム”なるものがウリの一つです。

しかしこのシステム、ぶっちゃけ微妙(;´∇`)

最初から最後までそのキャラ視点で進めることはできず、
例えば人を探す依頼と、別の事件の依頼があった時、
洋子がひとを探す方を引き受けてくれる。
そのときに神宮寺か洋子かをプレイヤーが選択し、
好きな方の視点で物語を進めていく。

当然洋子を選ぶと人探しの話になりますが、その依頼がひと段落つくと、勝手に神宮寺に戻ります。

そして今度は物さがしと別の事件の話となり、
くまさんが物さがししてくれるといい、神宮寺は別の方へ・・・。
と言う感じに、軸の神宮寺からちょっとの間派生した物語をプレイできるというだけなのです。

当然その間に神宮寺の方の物語も進んでいるので、
さっきまで洋子プレイしてたけど、神宮寺に戻ってきた。
・・・この話どこまで進んでるの!?(゜Д゜|||)
と言う感じに、話の展開に置いてけぼりをくらいます。

逆に神宮寺のみで話を進めていけば、あとで洋子から事のてん末を聞けるので、まったく違和感なくプレイできます。

他のキャラでプレイする意味なくない?

物語の展開は、彼らを動かそうがどうしようが変化するわけではありません。
なので、単なる他のキャラの考え方や状況を眺めて楽しむくらいしか楽しみ方がないです。

神宮寺に戻ってきたときに、彼がつけている進行メモを見れば、
これからすべきことはわかります。
しかしあくまですべきことであって、今までの話が全てのっているわけでもないので・・・。

せっかくのシステムなんだし、彼らでずっとプレイできるようにしてくれたらよかったのに。


この物語は、神宮寺の元にエアメールが届いたところから始まります。
差出人は飲み友達の池上さん。
『しばらく預かってくれ』と言う短い文章と共に、コインロッカーの鍵が入っていました。

ヤクの売人との接触、人探し、次々舞い込む依頼をこなしていくうちに、池上さんの知り合いであるルポライターの与野と知り合います。

そして池上さんが亡くなったこと、彼が完成させようとしていた未完のルポを引き継ごうとしていることを話してくれました。

池上さんはなぜ亡くなったのか?
彼が追いかけていた事件とは?

神宮寺の元にやってくる依頼の一つ一つが鍵となり、
やがて全貌が明らかに・・。


というわけで、色々な事件が起こって飽きさせないつくりとなっています。
が、話がとてもダークな感じ。リアルというのか。

そのせいでしょうか、神宮寺の世界には哀愁がつきまとい、
物悲しいにおいが立ち込めているようです。

神宮寺の吸う煙草も含めて。

この物悲しさを味わうのが、おそらくこのゲームの醍醐味なのでしょう。そんな気がする。


神宮寺はクールな強面で、やくざとも面識があること含めて、
やくざと言っても通るタイプ。
大体において冷静だし、度胸もあります。
探偵だから当然と言えば当然なのかもしれないけど、
その顔のおかげで警察にも裏社会にも顔がききそうです。便利。

彼のコマンド『煙草吸う』は、詰まった時に選ぶことで物語が進展するという素敵なコマンド。
全く動かない時もあるので、無駄に煙草を吸いまくってしまうこともありますが。

煙草なので、切れてしまい、自販機に買いに行ったり、自宅の場合予備を取り出したり、空の箱を握りつぶしたりとなかなか芸が細かい。
煙草をつけるライターの音などもいいし、実際の私は煙草嫌いですが、神宮寺に煙草を吸わせるのがすごく好きです♪

助手の洋子は、美人で才女という完璧な女性。
てきぱきとしており、神宮寺をサポートしてくれる頼もしいキャラです。
神宮寺とは別に恋人ではないようですが。
神宮寺だけだと面白みがないので、彼女の存在はプレイヤーに安らぎを与えてくれています。

警部のくまさんは、のんびりしていて明るいおじさん。
優秀なのでしょうが、くまさんがいると場が和んでいい感じです。
くまさんはこのゲームで一番のお気に入りキャラでした。出番がもっとほしい。

ルポライターの与野は、池上さんの未完のルポを完成させようとしている熱血タイプ。
真面目だしまっすぐなので、好感が持てるキャラです。
彼の視点で話を進めると、最初外国から始まるので驚きました。
大抵いつも新宿とかだから。

ザッピングシステムは唯一与野でプレイしたときはそれなりに面白かったです。
彼は神宮寺とは違った立場で、しかし物語の重要な部分を担っているキャラとなっているので。
彼で最初から最後までプレイしてみたかったな〜。


人物を追いかけるときには3Dの専用画面となり、人に話を聞いて目的のものを突き止めることになります。
画面が見にくい(;´д` )

でも時間制限がないので、必ずクリアできるのが優しいつくりとなっています。

また、ちょっと一休み空間として、『バーかすみ』と言う場所があります。
ここではミニゲームをすることができます。
まあ・・・意味がない気もしますが、こういうのがあってもいいかな。


そして本編とは全く無関係に、『謎の事件簿』というおまけコンテンツがあります。
これはタイトルからいけるもの。

らくがきのような神宮寺&洋子が、プレイヤーに推理問題を出すという面白いおまけです。
すごい楽しかった(*´▽`*)そしてらくがきに笑いました。
このアイデア素敵すぎます。


神宮寺シリーズとの記念すべき出会い。
ストーリー展開は割と重苦しいですが、神宮寺と言うキャラにはぴったりです。
時折入るアニメーションがなかなか演出を高めてくれていい感じですね。
面白かったです♪


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