雲長


冒頭からいきなりネタバレが発生するとは驚きました。

図書室で友達と三国志のレポートをやっている途中、本の力で異世界にワープする流れですが、
間に好みのタイプを聞かれて答えるシーンが入ります。

「年上で陰がある(雲長)」と答えると、男の子とぶつかり、顔はわからないものの
声が櫻井さん!

攻略サイトには現代キャラであることがわかるような選択肢が載っていたため、すでに私はわかってたとはいえ、
そういうネタバレって普通は隠すものなのでは・・・。


雲長は花に最初はとても厳しいため、花もちょっと苦手に思ったりするのですが
言い方がきつかったことを謝ってくれたり、甘いもので気遣ってくれたりもします。

花が初めての戦闘で人が死ぬのを目の当たりにし、そのショックから立ち直れずにいたとき
赤兎(せきと)という馬で乗馬訓練をしてくれたあと、
時々一人で行くという場所へ連れて行ってくれます。

そこは夕日がすごくよく見える場所で、「何も考えたくないときに来る」と雲長。

「この夕陽を見ていると、何もかもがどうでもよくなってくる。悩みも、自分の存在すら、この光景に比べたら小さくて、些細なものだと思える」

花がお礼を言い、「・・ちょっと、どうにもならないことなんですけど、落ち込んでたんです」というと、
雲長は静かに言ってくれます。

「・・今、かなわぬ願いだとしても、願い続ければいつかその先に必ずかなう。願うことすらやめたとき、すべての道が途絶えるだろう」

花はその言葉に元気をもらうのでした。


そのあと花は、二度目の戦い(というか敗走)で、孟徳軍にとらえられ、元の世界に戻るために必要な本を孟徳に渡す羽目になってしまいます。

花自身は子龍に助けられ、玄徳軍に帰還しますが、しばらく本は手元にありません。

そのまま仲謀軍に同盟を組む際の使者としていくことになり、しばらく仲謀軍の人質状態。

やっと戦いの中で、助けに来てくれた雲長と玄徳軍に戻ることができます。

その際、孟徳を追い詰めたものの、孟徳は花が大事にしていた本を返す代わりに自分を通してほしいと要求し、雲長はそれを飲んで花に本が戻ります。

これは雲長ルート以外でも起きる流れなんですが、花はこの時雲長が、花が大切にしていた本を守ってくれたことを感謝して、
「私も雲長さんを助けたい」と思うことに。

雲長は本によれば、仲謀軍との確執で、仲謀軍に殺されることになっていました。


ところが、一緒に10年ほど前の黄巾の乱のあたりに飛んでしまったときに、
とんでもない事実が発覚します。

なんと雲長は、現代から来たといい、本を失ったからこの世界に囚われてしまったというのですΣ( ̄□ ̄;)

いつものように、雲長の未来を変えただけでは、彼を救うことはできません。

そこから花の望みは、雲長の未来を変えて、一緒に元の世界に帰りたいというものになります。


というシリアス展開なせいもあって、雲長はほとんど最後までラブな雰囲気がないまま進んでいきました。
一応それでもやきもちイベントはあったんですけど。

焼きもちの相手は、やっぱり孔明。

雲長は花が、自分を助けようとするのを「俺はもうあきらめている」「お前は本を手放さなければ帰れる」「俺のことはほっておいてくれ」とつっぱねまくり、当然お互い会話もぎこちなくなってしまっていました。

そんな中、孔明は花を手を引っ張って連れて行こうとします。

花を遠ざけておきながら、目の前で孔明に連れ去られるのを黙っていられなくなった雲長は思わず引き留め、
自分が先約があると割り込みます。

おいしいなあ焼きもちイベントは(*^▽^*)

割り込んでおいて焼きもちを焼いただけだとは言えないので、そのあと乗馬を教えてくれます。

さらにはそのイベントで、花が落下しかけたのを受け止め、下敷きに。

おまけに雲長の髪の毛が花の制服のリボンにからまって、うごけなくなるというお約束。

まあ普通は髪が絡まるのは女の子のほうでしょうが、雲長がストレートの長髪だったからそんな感じに。

花が焦ってほどこうとするもうまくいかないため、雲長が手を伸ばしかけますが、
場所が花の胸元で、リボンをほどくというアヤシイ行動となってしまうため、雲長は思わず自分の髪をぶちっとひっこぬくという荒業に!(≧∇≦)/

花は彼の動揺に気づいていないので、単純に自分が重いから早くどいてほしいと思ってるんだと勘違いしてますが、
「・・・別に重くはないしそういう問題じゃない」
困っている雲長の声がかわいい。

花は「(近くにいたくないってことなのかな)」と逆方向に考えてしまってますが、
それも仕方ないかもしれません。

花が一生懸命元の世界に戻る方法を考えようとしても、迷惑だから近づかないでくれと言われてしまってるんですから。


そして、本がどうして花を本の世界に連れて行ったかというと。

雲長は、「本は持ち主の望みをかなえる機会を与えるものだ」と説明してくれます。
花が本を開いて思ったことは、「軍師になってこの城を攻めよとかかっこいいかも」みたいな、特別望みというほど強いものでもない、ちょっと思っただけのこと。

まあ三国志に突然ワープする理由なんて、そんなものかもしれませんが。
問題なのは、最後まで白紙を埋めないと帰れないってことですね( ̄▽ ̄;)


ちなみに、どんな歴史を紡いでも、最後までページを進めれば帰れるらしいです。
この世界は三国志のパラレルワールドのようなもので、無数の可能性の一つの世界。

しかし雲長は、本を失ってしまったために、一番最初に助けてもらった関雲長が自分の前で死んでしまったために、雲長として生きていく駒の役割を与えられてしまったのだといいます。

雲長として殺されても、別のパラレルワールドに飛ばされて、また雲長として生きる。
この生は四度目だと。


そんな地獄のような人生逃れたいと思うのが普通ですが、雲長は絶望していて、あきらめようとしているのです。

ほぼ最後までそんなムードなので、恋愛もへったくれもありゃしません(・ω・`*)


しかし花は、一生懸命いろいろなことを考え、思い返し、本の呪縛を解く方法を探り続け・・・
雲長自身が望まなければ帰れない』と言う答えを導き出します。

花が今まで本に願ってきた戦いの策は、「誰かとして」ではなく、花自身の願いです。

しかし雲長は、『関雲長』を演じることだけだったので、本を失ってから願うことはありませんでした。

花の前に本を持っていた人物というのもいて、元の世界に帰るときに一緒に帰れないかやってみたが駄目だったことで、
もう自分は帰れないんだと思い込んでいたようです。


しかしどうやら、本の力はすごく単純なものだったようです。

花の本は、花にしか使えないわけではなく、雲長にも使うことができたのです!


花は雲長が自分を囮にしてみんなを逃がすことにしたときに、
雲長が本に願わなくては、雲長の物語の白紙は埋まらないことに気づきます。

まあその本が雲長に使えるかどうかは賭けだったと思いますが、大切な人を助けるために、
花は自分の命をかけたのです。なんて勇気がある子。

花は自分が囮になるといい、本を雲長に預けて一人、仲謀軍に馬で突進していきます。
雲長と練習していた乗馬が最後で役に立つことになったんですね。


雲長が花を助けたいと本に願ったため、雲長と花は何とか逃げ出します。
そして、馬をかけて逃げ切ったとき、雲長は自分のことを話してくれました。


雲長がこの世界に来てしまったとき、関羽(雲長)が好きだった彼は、関羽と共に戦い、彼が死ぬ未来を変えたいと願ったそうです。

なるほど、雲長自身となった彼は、自分(と花)を助ける願いを本に願ったことで、自分の物語を終えたということになったわけですね。


別の人間に所有者が移っても、駒となってても、かつての物語を紡げば帰れる仕様でよかったヽ(*⌒∇⌒*)ノ

そのからくりに気づけなかったらいつまでも駒ですが。


馬上で雲長は花が好きだと告白してくれます。
シリアスな展開で、恋愛色が薄くて、雲長は物足りないな〜と思ってましたが、
エンディングでは一緒に帰るということになり、お気に入りの夕日の丘で、再会を誓い合いながらキスをして、
元の世界へ・・・。

という流れがロマンティックで、最後に一気にきたなあ!という感じでした(*´▽`*)

セリフも大変情熱的で素晴らしかったしVv

雲長「必ず会える。お前がいない世界など考えられない。お前がいなければ、俺は自分自身でいられないんだ。
お前のそばだけが、俺の生きる、居場所だと思える」

「だから・・・待っていてくれるか?」 花「は、い」
雲長「どこにいても、どれだけ離れていようとも、お前だけを思い続ける」

「この想いだけは、いつまでもお前とともにある。お前を・・・愛してる」


現代に戻ってくると、花は記憶がなく、時間も友達とレポート書くところまで戻っているんですが、
もちろん乙女ゲはそこでは終わりません。

翌日転校生がやってきて、それが雲長だった!!!というオチで、ハッピーエンドです♪

最初は記憶が戻っていませんが、雲長のほうは、花に気づくと微笑み、「やっと・・」と。

そして花も、記憶がフラッシュバックし、思い出すのです。雲長のことを。


「雲長さん・・・これからはなんて呼べばいいですか?」と聞いた花に、
とてもやさしい声で、「お前に名前を呼ばれるなら、なんでもいい。約束した通りーーーやっと見つけた」

ロマンティックですねえq(≧∇≦*)(*≧∇≦)p


というか、現代の雲長(本名:長岡広生)めっちゃかっこいい!!

私はあまり長髪が好みではない(雲長みたいな結わいていないストレートの長髪がいまいち)ので、
雲長にはそれほど興味がなかったのです。

ただ声が櫻井さんなので、声聞いてるだけで素敵すぎるということにより、プレイは楽しかったのですが・・・
現代の広生くんと恋愛したかったよ!と思ってしまいました。
広生くんは髪短かったんです。
エピローグだけの登場なのがもったいない。


異世界エンドしかないものだと思ってましたが、現代に帰ってくるエンドもあったんですね〜。
なかなかドラマティックで楽しかったです(*´▽`*)

ただ、やっぱり冒頭のネタバレは特に必要なかったような気がしました。
メガネを異世界で雲長に渡したりする場面があって、エンディングでそのシーンがフラッシュバックして思い出す流れだったけど、
別にどうしてもその流れじゃなければいけないわけではなかったと思うので。


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