バイオミラクルぼくってウパ

   (コナミ)

*藍の思い出*

これはディスクシステムのソフト。
ディスクシステムは私たちにしてはわりと早く買ってもらえたもので、はやっているときにゲームをやることができました。

・・・が。

何という皮肉でしょう。
あっさり、ディスクは消えました。

私たちが持っていたディスクのフロッピーは、ほんの数枚。

はっきり言って、ムダ・・・?


そして現れたスーパーファミコン。
私たちがそれを手に入れたのは、やっぱり少し後のことでした。


さておき。

このソフトは、実は私たちの持っていたものではありません。
私の友達から借りたものです。

どんなゲームかというと、アクションです。

『スーパーマリオ・・・』のマリオのように、主人公キャラを動かして面クリアを目指すわけですが、その主人公キャラが赤ちゃんで、ガラガラを武器にハイハイで進んでいきます。

赤ちゃんの名前が、「ウパ」というのでしょうか。
それとも、ただの口癖でしょうか。
よくわかりません。
そもそも、このゲームのタイトルなんて、カケラも憶えてませんでした。

ただ、「あのゲームはなんだったんだろう・・・」と思い、「ガラガラ 武器」でネット検索してみたところ、懐かしいそのゲームの画面が映し出され、「これだっ!!」ということになって、やっと判明したタイトルなのです。


まあ、タイトルなんてどうでもいい。(おい)

このゲーム、すごい楽しいです。


この赤ちゃん、とにかくすごい。
どこでもハイハイ。素早くハイハイ。
床でも、壁でも、天井でも。
ええ、重力なんて彼の前には存在しません。

そして、ものすごい食欲と、素晴らしい腕力。
とりあえず、きっと彼は、赤ちゃんではないのでしょう・・・。
人間ですらないのでしょう・・・。
しかし、そんなことはどうでもいいのです。


お気に入りは、大きなケーキのステージです。

赤ちゃんが、ハイハイでケーキの中を、ケーキを食べながら道を作り、進んでいくのです。
まさにブラックホールのように、彼の口の中に吸い込まれるケーキが、なぜかおいしそうに見える。この不思議さが、なんとも魅力です。

さかさまステージ(天井ハイハイ)も面白いですし、ボス敵(?)をガラガラで殴り倒すのもまたナイス。


桃ちゃんもけっこう楽しんでやっていたのですが、もう15年くらい前のことなので、今ではすっかり忘れてしまったようです。

やっぱり、家にないとやれないから、よほど印象的でないと忘れてしまうのでしょう。私より、圧倒的に記憶力のいい姉なんですが。


けっこう長いこと借りていたので(2ヶ月くらい)、そろそろ返さなきゃと思いつつ、まだ返したくない・・・と思いながら、やっぱり返さなきゃ、ああ名残惜しいけどサヨウナラ・・・そんな感じに、未練たっぷりに返した記憶があります。


けど、それからまもなくしてディスクは壊れました。
もう一度貸してもらおうと思ってた夢も、はかなく散りました。
そして、引越しの際に壊れたディスクを捨ててきました。



今はもう、記憶の中にしか存在しない、幻のゲーム。

いつか、遠い未来に、よみがえったディスクシステムと、このソフトを手に入れて。

もう一度やりたい。

そんな風に思うのです。



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