ズッコケ三人組対怪盗X(シリーズ第二十六巻)
那須正幹作 前川かずお(亡くなられるまで) 高橋信也(それ以降作画として)画 ポプラ社
あらすじ
あるとき、日本をまたにかけた大泥棒が現れます。
必ず現場に『X』とだけ記されたカードを置いていくことから、マスコミに怪盗Xと名付けられ、
次はどこに現れるのだろうとうわさされました。怪盗Xが次に狙ったのは、ミドリ市に住むとあるお金持ちの国宝級の壺でした。
偶然その家の娘と友達だったハカセの妹の道子から、怪盗Xが狙っている話を聞いた三人は、
どうにかしてその壺を守れないかと考えます。
感想
私は怪盗二十面相を読んだことがないのですが、
怪盗Xはどうやらそれと似ているようです。変装の達人で、命は奪わずに、予告状を出してその通りに盗み出し、決して捕まらない。
華麗な泥棒、大胆不敵な手品ショーを見せるかのようで、
その鮮やかさにちょっとドキドキします。しかし私が応援したいのはあくまでも三人組だったので、
三人がツボを守るシーンは、かなりうれしかったです。
そして怪盗Xから称賛されたのも、してやったりな気持ちになりました。それでも男にも女にも変装する怪盗Xにはさすがに勝てません・・。
人間すら鮮やかに盗み出す手腕は目を見張りました。
いつもの事件モノだと思って読んでしまったために、
私の評価はちょっと低めになってしまいました。一話完結の話としては爽快感が少なめです。
ですが、自分たちに直接関係ない泥棒相手に、
勇気をもって立ち向かっていくハチベエ達の行動はやっぱり気持ちがいいです。また、警察との連携プレーも見てて楽しかったです。
今回は警察に保護される側、という形ではなく、
一緒に怪盗を追う同士のような位置づけだったのも、いつもと違って面白いと思いました。