にんげんだもの
相田みつを作 文化出版局
あらすじ&感想
相田みつをさんが書いた、詩集。
中には文章もありますが、主に詩です。私が相田みつを、という人の存在を知ったのは、
新聞のテレビ欄の下の方に書かれた詩を読んだときです。
そのときの私は、ただ、絶望感で、心が空っぽになっていたのですが、
たまたまふっと見たその詩がとても印象的で、気がついたら泣いていました。その詩がのっているのが、この本でした。
『自分の番 いのちのバトン』
父と母で二人
父と母の両親で四人
そのまた両親で八人こうして数えてゆくと
十代前で千二十四人
二十代前ではーーー?
なんと、百万人を超すんです過去無量の
いのちのバトンを
受けついで
いま、ここに
自分の番を生きている
それがあなたのいのちです
それがわたしのいのちです
すごく心に響いてきて、「生きている」ことを心から感じた詩です。
相田みつをさんの詩は、とても暖かいです。
そして、にんげんだからしょうがない、と言った上で、
でも、こうできたらいいね、と語りかけてくれます。
そしてまた、自分もにんげんだから、まだまだだよ、と言います。そんな優しい気持ちが、「にんげんだもの」という言葉によく表れています。
そして一緒に頑張ろうよ、と言われているようで、何だかとても、ほっとします。私は、無邪気に泣きたくなったときに、よくこの本を開きます。
そうすると、何だか頭をなでてもらっているような気がして、安心します。
心に染み入るような一冊です・・。