トルネコの大冒険〜不思議のダンジョン〜

    (チュンソフト)



今や、当たり前のようにたくさん存在している「ダンジョンRPG」というゲームジャンル。
(なんか別の呼び名もあるそうですが、私は知らないです)
それの、一番初めに有名になったゲームがおそらくこれじゃないでしょうか。


とある国の小さな村にやってきたトルネコが、小さなお店を作ります。
村の近くには「不思議のダンジョン」と呼ばれるダンジョンが。
入るたびに地形の変わるダンジョン。
降りの階段しかなく、戻るにはモンスターにやられるか、リレミトの巻物を読むかしかない。
でも、そんな不思議なダンジョンには、数々のめずらしいお宝が・・・!

トルネコは、ダンジョンをもぐってはお宝を持ち帰り、妻のネネがそれをお店で売って、そのお金でお店をどんどん大きくしていきます。
トルネコの帰還とともに大きくなるお店。
だんだんとトルネコの夢がかなっていきます。

そして、やがて明らかになる「しあわせの箱」の存在。

トルネコは「しあわせの箱」を求めて、ダンジョンを下へ下へと降りていきます・・・。


とにかく、面白い!!ヽ(´▽`)/


ダンジョンをただひたすら降りていくだけ。
そんなゲーム、面白いわけないんじゃないか?

そんな私の予想を裏切って、「こんな面白いゲーム初めて!!」というくらい、ハマらせてくれたゲーム。
本当に、私にとっては久々に時間を忘れるゲームになりました。

この頃は、大体ゲームの時間って決まっていたので、「あと○分くらいか」と時計をチェックしながらプレイするスタイルでした。
それを忘れるゲーム、というのは、私にとってはかなり珍しいことだったんです。

・・・と言っても、「面白い」≒「時間を忘れる」で、完全なイコールではないんですが。
「面白い」けど、ふと画面から目を離せる瞬間があって、時計をチェックしながらできるゲームと、
とにかく目が離せない状態で画面に釘付けになってやってしまう「面白い」ゲーム、
どっちも同じくらいの「面白さ」ってこともあるので。

ともあれ、このゲームがとにかく面白くて、私がハマリにハマッたゲームであることは間違いありません。


やりました。

やりまくりました。

毎日毎日毎日毎日・・・・とにかくやりたおしました。

この時期は、おそらくこれしかやってなかったんじゃないだろうか・・・。
まあ、もともと私は何かひとつやりだすと、それをクリアするか、気が済むかするまでは、ずっとそれをやってるタイプではあるんですが。
(クリアしてももう一度やりたかったらすぐまた始めるので)

それにしても、日々ダンジョンを降り続けた私・・・。


お店が少しずつ大きくなっていくのが嬉しくて、
そのうち倉庫ができたら、倉庫を大きくしていくのも楽しくて、
倉庫に貯めてる武器や防具を鍛えていくのがホントに楽しかった。

同じことのくり返しが、こんなに面白いなんて、想像できなかった。

それはきっと、「同じこと」だけど、「同じ」じゃないから。
同じダンジョンの同じ場所に宝箱があって、階段があって、そういう普通のダンジョンとは違う。
毎回、どこに宝があって、どこに階段があるかわからない。
そういうドキドキ感が、「同じこと」を「同じ」だと感じさせなかった。


やがて、「しあわせの箱」を見つけて・・・


とっても幸せなエンディングが、私を迎えてくれました。


みんながしあわせになれる箱。
それが「しあわせの箱」。
その音色もとてもきれいで、たくさんの人のたくさんの人生、たくさんの笑顔、たくさんの喜びを、世界中に広げていくみたいに、響き渡ります。

ああ、きっと、このために私は「しあわせの箱」を追い求めていたんだ。
素直にそう思える、とっても素晴らしいエンディングでした。


そして・・・


しあわせの箱が連れてきてくれたのは、もうひとつの楽しみ。


「もっと不思議のダンジョン」


倉庫に溜めたアイテムも持って行けず、
ダンジョンに落ちているアイテムは、武器・防具などの一部のアイテムを除いてみんな未判別。

こんなに難しいダンジョンでは、「不思議のダンジョン」で死線を越えてきた経験なんて、ほとんど役に立ちません。

鍛え上げた武器・防具もない。
便利なアイテムもない。
たったひとつの「大きなパン」を手に、効果がわからない草や巻物を拾っては、飲んで確かめ、読んで確かめ。
「不思議のダンジョン」には登場しない、マイナス効果のあるものもたくさん混ざっているので、それは本当にバクチです。


死にました。
それはもう、何度も何度も。
こんなダンジョン、絶対無理だー!(≧Д≦)
そう思いながら。

でも、そうやって何度も何度も死んでいるうち・・・

プレイヤーの経験値が上がっていくのです。


トルネコ自体は、モンスターにやられたりして倒れたら、またレベル1に戻ってしまいますが・・・
プレイヤー自身の経験値は、少しずつ、加算されていきます。

「不思議のダンジョン」で、杖を振った時どうなったら、何の杖だかがわかるようになったように、
何もかもわからなくて進みようがないと思った「もっと不思議のダンジョン」でも、わかることが少しずつ増えていく。
この使い方は危ないとか、こうしたらいいという方法を、身をもって経験して、一つずつ学習していく。

もちろん、運が一番の要素であることは確かなのですが。

本当に全てが運任せというのではなく、
プレイヤーの経験によって、回避できる危険や手にすることのできる幸運が、確実に存在します。


それこそが、このゲームの醍醐味!!ヽ(´▽`)/


そうやって、徐々にプレイヤー自身のレベルを上げていって、難しい「もっと不思議のダンジョン」を、一階、また一階と深い層に降りていけること。
この快感は、ちょっと他のゲームでは味わえません♪



「もっと不思議のダンジョン」にもクリアはありますが、クリアした後も99階まで降りることができます。
そこに落ちている「さいごの巻物」を取って戻れば、本当に本当の、完全クリア。

この巻物自体には、今となっては何の意味もありませんが、「99回降りて戻ったこと」の達成感こそが、完全クリアの意味と言えます。



今でも覚えているのは、最初に99階クリアを目指した時のこと・・・。


何度も何度も死んで、少しずつ培った経験をもとに、一階一階降りていくトルネコ。
ある階層までは、それはもう大変で、いつ死んでもおかしくない状態なのですが・・・
やがて、レベルも上がり、武器や盾も鍛えられ、ちょっとやそっとでは死なない状態になります。
そうなると、あとはもう階段を見つけては降りていくだけ。
敵に会っても、特別怖くなくなっていきます。

私は余裕を持って、99階にたどり着きました。

そして、落ちていた「さいごの巻物」を拾って・・・
「もっと・・・」の最終目的である「奇妙な箱」も拾います。
さあ、あとは戻るだけ!

「不思議のダンジョン」もそうでしたが、目標アイテムを拾うと、階段は「降り」の階段から「昇り」の階段に変わり、フロアにアイテムが登場しなくなります。

行きの時は、フロアに落ちているアイテムを拾いながら階段を目指していましたが、
帰りはアイテムがないことが分かっているので、目指すはひたすら階段のみです。

どこに階段があるかはわからないので、適当に通路を進んで、すぐに階段の部屋に行けたらラッキー、最後までウロウロしてやっと階段発見だった時にはガッカリ、というくじのような心もちで、一階一階上がっていきます。

やがて、長らく過ごして見慣れていた30階以降の階層を終え、25階からの、おどろおどろしいフロアに戻ってくると・・・
あと少し、という気持ちになりました。

とうとう・・・ここまで上がってきた。
最初にここに来たときは、本当にこのフロアが怖かったっけ。
だけど今は帰り道。
あと少し。あと少しで地上に戻ってくる。
とうとう・・・やり遂げるんだ。99階制覇を!ヽ(´▽`)/

そして、どんどこ進みます。
感動のエンディング・・・まあ、すでに一回「奇妙な箱」を持って帰っていたので、店的には特に何も変わらないのですが・・・
それでも、最初は「完全クリアしたら、何かあるかな?」という淡い期待を持っていたような気もします。


階段を見つけては上り・・・
出てくる敵も階を上がるごとに弱くなって、出会うのはほとんど一撃で倒せる敵ばかりに。
もう本当に、ここまでくればほぼ完全クリアです。



・・・それは、油断だったのでしょうか・・・・・・。



22階。

トルネコは、不遇の死を遂げました。



それは、爆弾岩の爆風。
一撃で倒せると信じたトルネコの剣が、爆弾岩を爆発させたのは一瞬前のこと。

まさか・・・
その隣に、もう一匹爆弾岩がいたなんて・・・・・・。




・・・あまりのことに、私は呆然としました。

初めて進んだ「もっとふしぎのダンジョン」30階以降。
50階で「証明の巻物」を拾い、99階で「さいごの巻物」「奇妙な箱」を拾い、
そしてここまで、ここまで上がってきた・・・。

それなのに      


私は、自分のうかつさを嘆かずにはいられませんでした。




その後・・・


もう一度チャレンジして、今度は本当に気を付けて・・・
完全クリアを果たしました。


だけど、今でも忘れられないのは、この時の思い出。


そして、今でも・・・


爆弾岩は、この「トルネコの大冒険」で、私が一番嫌いな敵です(;_;)



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