ズッコケ財宝調査隊(シリーズ第九巻)

 那須正幹作 前川かずお(亡くなられるまで) 高橋信也(それ以降作画として)画  ポプラ社文庫


あらすじ
夏休み、モーちゃんの親戚の家に泊まることになった三人。
そこでモーちゃんのおじさんについての話を聞くことになります。

中学一年のときにがけから落ちて亡くなった総吉おじさんは、
友人に「自分は戦犯の証拠をにぎっている」と言ってたらしく、
ちょうどその頃日本は戦争に負け、二人の負傷兵が総吉おじさんの家へ運び込まれていました。


もしかしたらおじさんの死は事故ではなく、証拠を握ったため殺されたのかもしれないと三人は考えます。


そして二人の事件の重要人物と知り合うことになります。

一人は、二人の負傷兵のうちの一人。

そしてもう一人は、おじさんの友達だった女性。


真相を知った三人は、おじさんが見つけたというその証拠の品を探しに行くことにします。



感想
これは大好きなお話です。
どちらかというと冒険というより謎解きが主なので事件モノっぽい気もするのですが、事件自体は相当昔のものだし一応分類は冒険にしました。


モーちゃんにそっくりだったという総吉おじさんは、モーちゃんのお母さんのお兄さんです。
顔だけではなく性格も似ているらしく、なんだかそれだけで親近感というか愛着がある感じです。

そして舞台が今はもうダムの底に沈んでしまった村だというのが、哀愁を感じさせます。


おじさんの死の真相は、とても哀しくて切ないものでした。


でも、その後に広がったのは優しい暖かな気持ちです。


モーちゃんの部屋に飾られた一枚の絵。

それを思うと、泣き出したいような、胸がいっぱいになるような気持ちが溢れてくるのです・・・。



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