参上!ズッコケ忍者軍団(シリーズ第二十八巻)

 那須正幹作 前川かずお(亡くなられるまで) 高橋信也(それ以降作画として)画  ポプラ社


あらすじ
八幡谷の奥に、カブトムシやクワガタがたくさんいる秘密の場所があって、そこは花山第二小学校の六年生だけに伝えられてきた重要なものでした。

ところが夏休み、モーちゃんと同じ市営アパートに住む五年生が、去年モーちゃんに教えてもらった秘密の場所に行こうとすると通せんぼされてしまいます。

相手は花山第一小学校の生徒たちで、手にエアガンやガスガンをもってコンバットごっこをしている連中でした。
そしてここは自分たちの基地にしたといって、通してくれません。

彼らのリーダーは花山中学二年の、森茂男という男の子で、ずいぶん前から八幡谷を基地にしていたようです。

話を聞いたハチベエはさっそく乗り込みますが、森茂男は、戦争をしようと言い出しました。
いつでもいいからせめてこい、勝ったほうが谷を占拠すると。

そんなわけで、ハチベエは仲間を募って戦うことを決めます。
もちろん、一緒にいたハカセやモーちゃんも仲間にされていました。


ところが戦いは完全なる敗北に終わります。敵は非常に頭がよかったのです。

戦意喪失した仲間たちは、もう戦おうとはせず、残ったのはほんの数名。
ハチベエ以外は、ハカセとモーちゃん&市営アパートの後輩たちというメンバーでした。

少数でどうやって彼らを倒したらいいのか?
そこで彼らが考えたのが、忍者的な戦術を駆使して戦うことだったのです。

はたしてハチベエ達は勝つことができるのか・・。



感想
虫とか喧嘩とか、あまり興味がわかない題材だったのですが、
最初の戦いから楽しく読めました。

やっぱり、エアガンで追い払われた五年生たちがかわいそうで、
何とかしてあげてほしいと思ったからでしょうね。

負けちゃった戦いは残念でしたが、実は本番はここからです!

今回三人と一緒に戦うのは、ハカセやモーちゃんと同じアパートに住む後輩たちです。
当然戦力としては弱いのですが、真っ向から戦わない作戦を立てることによって、
彼らでもちゃんと力になる。

そのあと女の子たちも加わって、戦力は増えないものの戦術は大いに広がり、
着々と進む準備にわくわくしました。

武器を作ったり、しかけをつくったりと今回はハカセが大活躍。
ハチベエは言うに及ばずですが、モーちゃんの活躍はないのか?

という感じですが、そもそも女の子を引き入れられたのはモーちゃんのおかげですから
そういう意味で大健闘だと思います。

敵も罠を仕掛けたり、鳴子を用意してたり、結構な軍隊で、
一筋縄でいかないところが面白い。

エアガンの撃ち合いみたいな殺伐とした雰囲気はまったくなかったので、
最初から最後まで盛り上がって楽しめました。



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