夢のズッコケ修学旅行(シリーズ第二十四巻)

 那須正幹作 前川かずお(亡くなられるまで) 高橋信也(それ以降作画として)画  ポプラ社


あらすじ
六月、六年生は修学旅行へ出かけることになりました。

ハチベエは旅行中にガールフレンドを獲得しようという、一大決心をします。

ハカセは考古学に興味があるので、見学予定の資料館で館長をしている、自分と同じ「正太郎」という名前の考古学者である邦枝博士に会って、サインをもらいたいと思っていました。

モーちゃんは持っていくおやつに困っていましたが、大量のおやつを持ち込むことに成功し、
当日に遅刻しつつも順調な滑り出しです。


ハチベエ達1班のメンバーは、三人組と、金田進と田代信彦の5人。

責任感の強い進はできるだけハチベエ達と行動を一緒にして、迷子や遅刻を防ごうと努力しますが、
ハチベエは勝手にどんどん歩いて行ってしまいます。

しかしなかなか女の子と仲良くなるチャンスは巡ってきません。

それどころか、早々に大川小の生徒と喧嘩になってしまって、コースも同じような場所、ホテルも隣で
いつ問題が起きてもおかしくない状態。

ハチベエはやる気満々ですが、そんなことになっては大変なので、1班のほかのメンバーは
ハチベエに注意しなくてはなりません。


そしてモーちゃんにも悲劇が訪れます。
銀山に見学に行ったときに、お菓子の箱をいくつも置いてくる羽目になったのです。
旅行の朝に靴紐が切れたのは、このことを暗示していたのかと嘆くのでした。


そして夜、おみやげを買いに出かけたところ、例の大川小の生徒がカツアゲされているのを目撃することに。

いい気味だと思ったハチベエを、1班のメンバーは「助けてあげないのか」と訴えてきます。

はたしてハチベエは・・・。


一方、目的の資料館で、ついにあこがれの考古学者と対面したハカセは、感動に胸を熱くします。


修学旅行は、様々な思い出を乗せて終わろうとしていました。
しかし最後に、映画のロケーションに遭遇します。

しかもなんと、子役に抜擢されたのはハチベエでした。



感想
修学旅行の様々な楽しさを、きゅっと詰め込んだ感じの物語です。

中でも、ハチベエと大川小の子供たちとのエピソードと、 ハカセと邦枝先生の対面は、とてもよかったです。

何だか私まで胸が熱くなりました。

そして帰宅後、ハカセはある決意を固めるわけですが・・・
そのシーンもまた、胸がじーんとして、大好きです。


田代信彦や金田進も何度も登場してるクラスメイトですが、
結構好きな二人なので、目立っててちょっとうれしかったです。

乗り物に弱い信彦には親近感を感じました。隣の女の子のやさしさ、素晴らしいです。


ラストの映画のロケは、修学旅行とは直接的には関係ないものですが、
まさにカッコイイ幕切れという感じでした。

こういう、大きな事件はないけど、みんなでわいわい楽しさが伝わってくるお話は好きです。
読むと温かい気持ちになりますね。



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