ズッコケ三人組の推理教室(シリーズ第十九巻)

 那須正幹作 前川かずお(亡くなられるまで) 高橋信也(それ以降作画として)画  ポプラ社文庫


あらすじ
物語など一切読まないハカセが、シャーロック・ホームズにハマりました。
ホームズのような観察力を身につけたいと考えるハカセに、ハチベエが一緒の特訓を持ちかけてきます。

彼も将来刑事になりたいらしいのです。
ケンカしそうな雰囲気になった二人をなだめるべくモーちゃんも加わり、三人で推理力をつける特訓を始めることにしました。


そんなある日、クラスメイトの荒井陽子の飼い猫がいなくなったことがわかります。
早速三人で探してあげることにしますが、なかなか見つかりません。
ところが新聞の折り込みチラシに迷い猫の情報を載せたところ、見つかったというのです。


後日モーちゃんは、母親から別の迷い猫の話を聞きます。
会社の専務さんがいなくなった猫の情報を折り込みチラシに載せたら、すぐに見つかったということでした。


しかし、そのとき猫のえさや病院代で十万円払ったというのを聞いたモーちゃんは、すぐにハカセに知らせます。
なぜなら荒井陽子の猫も、お礼として十万円払ったと聞いていたからです。

事件のニオイをかぎつけた名探偵たちは、早速調査を開始しました。
(もちろんハチベエも加えて)



感想
今回はいつもの三人に加えて、荒井陽子も捜査メンバーの一人になります。

ハチベエとしては彼女と一緒に過ごせる貴重な時間ですが・・・
推理しなくてもその結果は予想できそうですね。


捜査はいったん行き詰まり、そしてまた別の方向から進展していきます。
どんな物語もこの瞬間が一番「面白い!」と感じます。

絡まった糸がほどけていくように話は展開し、名探偵たちはもう一人強力な助っ人を手に入れます。


今回は四人の様々な部分での名探偵ぶりが面白いです。
なんといっても今回の主役はハカセですが、しかし荒井陽子の活躍がとてもいいです。

普段だったら、女の子ひとりでズッコケ三人と一緒に行動なんてしないでしょう。
それなのに全く自然に一緒に事件を追っている。
そんな不思議な自然さが、私はとても好きです。



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