驚異のズッコケ大時震(シリーズ第十八巻)

 那須正幹作 前川かずお(亡くなられるまで) 高橋信也(それ以降、作画として)画  ポプラ社文庫


あらすじ
六年生に進級したばかりの春。
モーちゃんは、歴史の勉強に先駆けて、『マンガ日本歴史』を読破します。
そしてそれをハチベエに話したところ貸してくれと言われ、三人で下校しました。(ハカセとモーちゃんは同じアパートなので帰り道が一緒)

その途中、突然大きな地震が起こります。
そして、三人が思わずしゃがみこみ、また立ち上がったとき、世界は一変していました。


突然の霧。そして、ひづめの音。誰かのさけぶ声。
そして・・・霧が晴れたとき、三人はいきなり関ヶ原の合戦の場所に立っていたのでした。


タイムスリップに驚く三人。
そこで出会ったのは、小早川秀秋という殿様です。
殿様は、三人が未来から来たというのを信じてくれました。

しかしそこで、とんでもないことになってしまいます。
歴史上、ありえないことが起こったのです。


関ヶ原を後にした三人は、次に水戸黄門と出会いました。
そしてさらには、坂本竜馬、新撰組、鞍馬天狗・・・。


歴史上の人物たちに助けられながら、三人は歴史を旅し続けます。
しかしこの世界は、知っている歴史と、どこかが違うようです。
それはいったいどうしてなのでしょうか?


そしていつのまにか時代をさかのぼっていた三人が、
次にたどり着いたのは、弥生時代でした。

魏の国から来たと嘘をついて、三人はたっぷりもてなしてもらいます。
その後、卑弥呼にお告げを聞いたその場所で、
最大の危機が訪れました。



感想
これ、大好きです。歴史上にタイムスリップ、というのは、本当に面白いと思います。
現実ではないんですが、(それで言うなら、ズッコケ三人組だってつくりものなのですが)
リアルであり、夢である・・・そんな気分にさせてくれるからです。


実際、今回のタイムスリップは、関ヶ原にしろ、水戸黄門にしろ、おや?と思うような展開です。
でもそれが今回の見所というか、重要なポイントになっていて面白いです。

特に水戸黄門は、現実の「私たちの世界でのつくりもの」のキャラクターが、
ズッコケの世界でも投影されていて、まるで私たちの世界とズッコケの世界がつながったような感じです。


そして、いつも知識を携えているのはハカセの役割ですが、今回は『マンガ日本歴史』を読んだため、モーちゃんも知っています。
そういうちょっとした変化が、何だか嬉しい気がしました。


終わりに、モーちゃんが「里芋のみそ煮がおいしかったな」とつぶやいたシーンで、しみじみと、ああタイムスリップしたんだな、と実感しました。
過去の時代のさりげない部分の描写も、この物語の重要な面白さです。

しかもそれがわかりやすく、面白く描かれているのは本当にすごい!です。
今回は、いろいろな時代を旅できて、とても楽しかったです。



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