謎のズッコケ海賊島(シリーズ第十六巻)

 那須正幹作 前川かずお(亡くなられるまで) 高橋信也(それ以降作画として)画  ポプラ社文庫


あらすじ
休みの日釣りをしていたモーちゃんは、草川大助というおじさんと知り合います。

草川さんは船をチャーターして、ある島に渡りたがっていたのですが、お金が足らず猟師さんから断られていました。

お腹をすかせた草川さんに同情したモーちゃんは、お弁当をあげ連絡先も教えました。
いつか礼をするから教えてくれと言われたのです。


そしてその後、草川さんから電話が入りました。時間は夜の八時。
今から近くの児童公園に来てくれと言われますが、お姉さんからは止められます。

それでも切羽詰った様子の草川さんが気になるモーちゃんは、ハチベエやハカセを誘うことにしました。


そして公園でおじさんと再会したものの、おじさんの様子がおかしく、三人はあわてて救急車を呼びました。
しかしあわてていたため救急車を呼ぶこと自体が遅れ、ようやくおじさんのところへ駆けつけたとき、おじさんの姿はどこにもありませんでした。


翌日モーちゃんは、おじさんと再会した直後に受け取ったお守り袋を二人に見せます。

それはカタカナで書かれた謎の言葉で、おじさんが話した言葉から連想して、宝物の暗号じゃないかということになります。


暗号の解読はハカセにゆだねられ、昨日の公園へ寄ったハチベエとモーちゃんは、そこで救急車が来る前におじさんが何者かに運ばれた事実を知ることになったのでした。


おじさんが悪者に追われていることを知っていた三人は焦ります。

彼らよりも早く宝物を見つけ出そうとしますが、なかなか見つかりません。


そんなある日、お寺で三人は重要な手がかりをつかむことになります。

ところが一歩前進かと思った矢先、三人の身に危険が迫ります・・・。



感想
面白いです!!

宝探しというのはとにかくワクワクするものです。

私も幼い頃やったものですが、遊びでもかなり燃えましたから、本物の宝探しだったらすごく面白いでしょうね。


ハカセやハチベエが宝探しのほうに関心を寄せている間も、モーちゃんはずっと草川さんの安否を気にしていてモーちゃんらしかったです。

モーちゃんだけが元気だった草川さんと会話をしていたので、心優しいモーちゃんは宝探しそのものよりも草川さんの手がかりを知りたかったのかもしれません。


ハチベエはそんなことはひとまず置いておいて、宝だけに全神経を集中させていて、
ハカセは暗号解読やそのお宝が海賊のものだとわかった後は海賊について調べるなど、なんだかとても楽しそうでした。

実際私もワクワクしていたので、モーちゃんが言ったときだけ草川さんを思い出すようなものでした・・・。
ちょっと罪悪感を感じます・・・。


しかしそれはともかくとして、純粋に悪者との宝探しバトルにはハラハラドキドキします。

いざというときのハカセの機転には感心したし、ハチベエのボート操縦も役立って(なんだか第四巻を思い出します。あの時もハチベエはボートを運転していたので)

スリル満点大満足といった感じでした。


少年心に火をつけるような(私は女なんですけど・・・おかしいな)この話が私は本当に大好きです!



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