星からおちた小さな人

 佐藤さとる作 村上勉画  講談社 青い鳥文庫


あらすじ
せいたかさんとコロボックルたちのつくった国は、順調に発展しています。
そして人間と同じように空を飛びたいと願っていたコロボックルたちは、空飛ぶ乗り物を開発しました。

しかしそのテスト飛行中一人のコロボックルが、
上司のコロボックル(名前は通称サクランボ。第二作目の通信社仲間)を助けようとして、
もずに体当たりしてそのまま落下するという事故が発生します。

落ちたコロボックル(通称ミツバチぼうや)は、コロボックルたちの捜索もむなしくなかなか見つかりません。
一緒に仕事をしていたサクランボの妹、おハナは心配でたまりません。


しかしミツバチぼうやは、人間の男の子に拾われていました。
オチャ公と呼ばれているその子は、ミツバチぼうやを鉛筆削り器に入れて逃げられないようにしていたのです。

オチャ公の考えは、まずお金持ちになれるかもということでした。
こんな小人を発見したことがわかったらものすごく話題になるでしょう。

しかし自分はまだ子供です。
どうせ研究だ何だとすぐに大人たちに取り上げられて、お金持ちになる夢はかなわないかもしれません。

一方のミツバチぼうやは困り果てていました。
逃げようにも閉じ込められているし、仲間との連絡も取れません。
どうにもできずに状況を見守るだけです。


しかしオチャ公はミツバチぼうやと接しているうちに、何だか親しみがわいてきて、
お金儲けする気持ちがなくなっていきます。

ミツバチぼうやのほうも、何となくオチャ公のことが好きになりかけていました。


さて、コロボックルたちは、ミツバチぼうやの捜索をあきらめたわけではありませんでした。
やがてコロボックルたちはミツバチぼうやを見つけ、救出にとりかかります・・・。



感想
シリーズの三作目です。

第二作目から時が過ぎて、あの頃の通信社員たちもみんな立派な大人に成長しました。
今作ではサクランボが結構出てきます。

彼は技師として活躍しています。(第一作で登場のツバキノヒコが技師長です)
また、マメイヌ隊の隊長として腕を振るっているのはフエフキです。

なつかしい・・・。

さておき今回は、普通の男の子とコロボックルとの心の交流が描かれています。
私は、シリーズではこの作品と次の第四作目が一番好きです。

はじめお金儲けを考えていたオチャ公が、ミツバチぼうやのことを『特別』だと感じるようになるのはとても素敵です・・・。
もしかしてオチャ公が大人だったら、そして研究者だったら、即研究対象になってしまっていたかもしれません。

子供だったから、まだ『宝物』という大切な感覚を忘れていない頃だったから、
ミツバチぼうやのことをちゃんと見ることができたんだろうな、と思います。

何となく、このお話を読むと
子供の頃のそういう感覚を思い出して懐かしくなります。

そして・・・非常に温かく、やさしい気持ちになれるお話なので、
私はこの作品が大好きです。



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