豆つぶほどの小さないぬ(シリーズ第二巻)

 佐藤さとる作 村上勉画  講談社 青い鳥文庫


あらすじ
せいたかさんとおちび先生が結婚して、コロボックル国は小さいながらも、幸せに発展しています。

せいたかさんは、自分の次にコロボックルの味方になってくれる人に読ませようと、
本を書くことにしました。
それを知ったこの本の主人公、コロボックルのクリノヒコ(あだ名は風の子)。
もっと詳しいことを自分も書き、それをせいたかさんに教えてあげようと思い立ちます。

そして、仲良したちとそのための組織をつくります。
それが『コロボックル通信社』。(命名はせいたかさん)

通信社のメンバーは、風の子のほかに、フエフキ(笛を吹くのがうまい)、ハカセ(見習いの医者)、ネコ(狩りが得意)、サクランボ(いたずらずき)です。

ある日、せいたかさんから不思議なマメイヌのことを聞いた風の子。
マメイヌとはものすごく小さな犬で、すばしっこく、コロボックルたちが昔飼っていたらしいのですが、今はどこにいるのか、いないのかもわからない生物です。
けれどももしいるならぜひ捕まえて、コロボックルたちの猟犬にしたいとコロボックルたちは考えます。
そんなわけで風の子は、マメイヌを捕まえることを通信社の最初の仕事にしました。

せいたかさんもマメイヌ捜しに協力してくれ、少しずつ進展していきます。
そして最初は小さな通信社だった組織は、やがて新聞社に発展していくことになるのでした。



感想
コロボックルシリーズの第二弾です。

今回は、せいたかさん側ではなく、コロボックルたちの日常を描いているため、 ますます小人たちのかわいさが際立っているような感じがします。

マメイヌを捕まえるわなに、カタツムリのカラをつかったり、
コロボックルの連絡用などにくもの糸をつかったり、
化粧ビンをいすにしていたり、
せいたかさんの机の引き出しが、コロボックルの役場になっていたり・・・。

なんというか、おままごとみたいな感覚です!
そう言っては失礼かもしれませんが、でも、すっごく小さい、しかも生きているお人形が、
小さな世界で動いている・・・そんな感じで、ものすごく可愛いです・・・。

そして前作よりももっとコロボックル国が発展しているのが面白いし、
前作出てきたコロボックルたちが、立派になっているのも、
年月を感じて楽しいです。

第一弾でせいたかさんとよく接していた三人のコロボックルたちは、 第二弾ではだいぶ成長して、みんな出世しています。
そういう成長ぶりが見られるのも、シリーズならではの面白さですね。



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