ハリー・ポッターと死の秘宝(第七巻)

 J.K.ローリング作 松岡佑子訳 ダン.シュレシンジャー画  静山社


あらすじ
ヴォルデモートを倒すために必要なものを、探す旅に出るつもりのハリー。
親友のロンとハーマイオニーも一緒に行くと誓っています。

しかしその道はあまりにも困難でした。
なぜなら、探すものが未だどこにあるか全くわからず、敵のふところに飛び込んでいくことしかできない状態だったからです。
緊張といら立ちが続く旅は、いつ終わるともしれない辛いものでした。
三人は助け合い、何とか乗り越えていこうとするのですが・・・。

信頼していた人物への大きな疑念。
大切な相棒である杖の破壊。
ハリーの世界ははぎとられて、追い詰められていくばかりです。

そんな中、死の秘宝の話を聞くことになります。
三つの死の秘宝を集めたものは、天下無敵になることができるという・・・。

ハリーはその秘宝を集めることができたら、ヴォルデモートに打ち勝つことができるのではないか、と考え始めます。



感想
ついに最終巻!
ここからはネタバレ感想になってしまいます。




読むのが非常に困難な上下巻でした。
今までで初めて、読んでいて楽しくなく、続けて読めず、読み進めるのに躊躇してしまいました。
おかげで読み終わるのにかなりの時間がかかりました。

つまらなかったから、ではありません。
でも、楽しくはありませんでした。

ハリーとヴォルデモート側との戦いはいよいよ最終局面を迎え、
味方に死者が出たり、大怪我をしたり、悲しいことばかりです。
また、ハリーの旅も行き詰っていて、前がいつまでたっても見えてこない。
ロンとも決裂し、本当に切なくなりました。
ハリーがずっと信頼していたあの人への信頼を失ってしまったのも、辛かったです。

好きな人たちの死も、今までよりもさらに書かれています。
中には信じられないような・・・本当に思っても見なかったような人もいて、大好きだっただけにとても悲しい気持ちになりました。

しかし、最後まで頑張って読みました。
終わってみて・・・・・本当に、安堵しました。
辛いことや悲しいことだらけでしたが、
終わってみると、ものすごい感動が身体をかけめぐってきました。

やっぱり、読んでよかったな、というのが感想です。
ハリーには、本当に感情移入して、ハリーが幸せになることを一番に望んでいたので、
あの終わりでよかった・・・と心から思うのです。

そしてこの本の中で、何よりも強烈に印象に残り、切ない思いで胸がいっぱいになったのは・・・。
あとがきで、訳者の松岡佑子さんが書いている、まさにそのとおりで・・・
あとがきを呼んで、再び号泣してしまいました。
ダンブルドアがずっと言っていた、「愛」の意味が本当に心に響いたような感じです・・。

このシリーズを通して、ハリーがずっとハリーのままでいてくれて嬉しかったことと、
あんなに弱虫だったネビルの大活躍を見られて本当に満足でした。
すごく大好きなファンタジーです。



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