自分らしさを愛せますか

 レオ・バスカリア作 草柳大蔵訳  三笠書房


あらすじ
アメリカの大学教授である作者が、「愛について」を書き記した本。


本当の愛がどういうものか、
愛する、とはいったいどういうことなのか。

「自分らしさ」とはいったいなにか、
自分は、誰かにとって必要なのか。

大切な人に、何をしてあげられるのか、
きちんと気持ちを伝えているのか・・・。


作者の、力強くて暖かい言葉で、たくさんの例をあげて説明しています。

作者のレオ・バスカリアは「愛の教室」を開いているという、

愛の研究第一人者なのです。


そして彼のクラスはいつでも超満員で、人は誰しも
愛に飢えているということなのかもしれません。



感想
初めてこの本を手に取ったとき、私はとっても落ち込んでいました。

そんな私の気持ちを、ほぐして暖かな優しい気持ちにさせてくれたのが、この本です。


「愛なんてくだらない」なんて思う人はそんなに多くはないと思いますが、

愛について書かれた本、というと、くだらない、と思う人は結構いる気がします。

しかしこの本に書かれたことは、ものすごく大切だけど、あまり考えていない、忘れているようなことばかりです。

そしてそれと同時に、自分が孤独だということ、そして他の人も同じように孤独だということ、自分が誰かを必要とするくらい、他の人も誰かを必要としていることに気づくのです。


またこの本では、「自分らしさ」がいかに大切か、ということも書いてあります。

私はよく、自分の存在なんて無意味だ、と口では言いながらも、本当は、
何か意味があると信じたい、と思ったりします。

そういうときにこの本を読むと、本当に救われます。


この本はカウンセリングみたいなものかもしれません。


毎日が楽しくて、周りの人を誰でも大切にしている、と言う自信のある人には必要のない本かもしれません。


だけど、寂しい気持ちになったり、孤独を感じたり、また、もしかして誰かを傷つけたかもしれない、と思ったことがあったら開いてみてください。


自分を変えることはできなくても、

ほんの少しだけでも、心が癒されると思います。



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